about


お茶を濁ごしてぱーとつー。
ボツですから、もちろん、さらに更新される予定はこれっぽちもございません。
詰め込みですので、ひたすらスクロール頑張ってください。名前変換小説も入ってます。



wolのボツネタ なんか間違えた系


※敗因
夢主に特殊設定をつけてしまったこと。wol連載前の初期のためし書きだったらしく、変な設定がいろいろ付いてる。夢主の性格に山田(仮)がプラスされている。
また、原作世界の読み込みが私が甘すぎて続けられなかった。また、夢主の性格がなんか違う…。
原作キャラとかかわりが多すぎる。それはこのシリーズの場合×なのです。


ブリーチ。

「あー…今度はこの≪世界≫か…」

オレは主役級である男を見て、空を仰いだ。
あれだ、もうそろそろヤメテ欲しいと思う、つーか、マジでヤメレ。
そんなことを神様に祈ったって居るわけがないことは今までの経験から重々承知だ。
なんでだろうな…きっかけはなんだったんだろうか?そんなこたぁ、よく覚えていない。気が付いたら世界に囚われていた。まぁ、そういうことだ。
ただ一つの救いは、たまにオレが知っている≪世界≫であることが多く、大まかな基礎知識を持っているということもあるということだろう。

多くのオレの知らない≪世界≫での旅は過酷を極める。一から分からず、途方にくれる。

今回の世界はどうやらオレの知っている≪世界≫のようだ。オレが生まれ育った現代に似ている世界はとても嬉しい。その証拠に、オレの正面向かいから歩いてくる人物は『彼』だ。
ならば、この世界においての『核』は彼が中心。彼に近づき、行動を共にする。

それがオレにとっての近道だ。…自分でも、なにを指しての『近道』なのか分からないが、これもまた経験から『核
』の近くにいることが一番『門』との遭遇確率を高めることなのだ。


…あーでも本当は嫌なんだよ、『核』の近くってホント、マジでしゃれにならないくらい危険なんだよ…。

ほら、今だってオレビビッて顔が引きつってるよ…。
オレはどんどん近づいてくるやつを見つめた。ヤツはふと、眼を上げてオレを見て眉をひそめて、止まった。

―…いや、なんで立ち止まるの?立ち止まんないで、オレの横通り過ぎてくれてよかったんだけど…。

すれ違いざまとか、後方から声を掛けるのはいいけどさ、なに、この道路の真ん中で対面してにらめっこしている今の状態って…?
彼は…もうこの際、心の中で名前で呼んじゃってもいいだろう…な、一護?


彼の名は黒崎一護。高校生な死神。
ああ…あの不良ルックスなオレンジ色の髪がまぶしい…オレみたいな一般平凡パンピーにとってはあんまりお近づきになりたくない感じな、現代の高校生だ…。
オレの『世界』であっていたら、絶対オレ、話かける勇気がないよ。
いや、でも、オレだって修羅場潜ってきたか…いや、んなことないな。修羅場ってる時は大体オレは逃げ走ってるか気絶してるか意識飛んでるかだし。
一護かぁー…なんつか、こいつもいろいろ頑張ってるよなぁー…オレなんかさ、はっきり言って、強敵なんかに立ち向かう気はないね!!
命が惜しから逃げるもん。何が大事って、一番大事なのは自分の命だしね。

「…あんた…なんか、用?」

一護はオレと視線を合わせたまま、むっつりと不機嫌に口を開いた。
え、いや、特にオレとしては用事はないんだけど…。

「いや…」

だからオレはそう答えるしかない。
つか、一番大事なのは、今、この時点がどこな時点なのかということだ。

…?んー…ここはどうみても現代だよなーってことはソウル・ソサイティに行く前か行ったあとのどっちかしかないよな。

どうしよっかなー…聞いたほうがいいかなー…。現時点がどこなのかによって、オレの身の振り(影から見守るか、一緒に行動するか、逃げるか)とかいろいろ決まるし…。
聞くか。聞かなきゃ先へは進めない。


「お前…卍解を知ってるか…?」
「は?」


意味が分からない、という表情を一護は返してきた。

…んー…一護ってポーカーフェイスとか、嘘つくの苦手なヤツだから、この反応はどうも行く前らしい。
行く前かよ。行けよ、とっとと行ってこいっつーの。…あーなんかすんごい面倒くさい事態が待っているような気がしてきた…。
えー…これから流魂街とかいろいろ行くの?なんかすげー激闘してたじゃん。死ぬよオレ、あんな化けモンだらけの死神たちのとこに行ったらさぁ…。
嫌だなぁ…でも、一護に付いてかないと『門』に遭遇するのがすげー先になっちまう気がするしなぁ…。
あーだこーだ言ってっても始まらない。

「いや、知らんならいい。じゃな」
「はぁ?ちょっと待てよお前…」
「急くな。また会う」

どーせオレから会いに行くし。
オレは取り合えず交番を探しに歩き始めた。

++

彼は、雑踏の中でオレの目に飛び込んできた。
オレみたいに目立つオレンジなんて珍しい髪の色をしているわけではない。
普通に黒髪ででも、その正面から見た顔は東洋系の顔にも見え、どこか異国の血が混じっているようなはっきりとルーツ(根源)が辿れない顔立ちだった。
彼はオレを見ていた。
錯覚なんかじゃないと思う。だってオレは彼の黒い瞳に吸い込まれてしまったかのように、足をその場で止めてしまった。

相手はオレを見つめたままだ。何を考えているのか分からないけれど全てを見通す黒い瞳に、オレは耐え切れなくなって自分から口を開いた。

――こいつ、一体何者だ?

「…あんた…なんか、用?」
「いや…」

彼は短く答えた。
そして、少し考えるように瞬きを一回すると、徐に口を開いた。

「お前…卍解を知ってるか…?」
「は?」

バンカイ?なんじゃそりゃ?汚名挽回?
オレは思いっきり聞き返したが、彼は「いや、知らんならいい」とあっさりと首を振った。
そして、さっと手を上げ、

「じゃな」

と言いながらオレに背を向けた。おい、なんだよ。

「はぁ?ちょっと待てよお前…」

オレは呼び止めようとした。

「急くな。また会う」

追いかけようとしたオレの足は、彼の放った言葉に呪縛されたように動かなかった。
こちらが動けなくなるような殺気やプレッシャーを掛けられたわけではない。
なんだ―…?冷や汗が出る。

オレが一歩も動けないで金縛りにあったようになっている間に、彼は、雑踏へと紛れ、消えた。

++

交番の叔父さんに聞いて、このあたりの地図をコピーさせてもらった。
地図を見てまず、一護の黒崎医院の場所を確認して、あと浦原喜助の店を探す。ふむ、なるほど。喜助と一護の家は地図上から見ると近い。
じゃあ、やっぱし喜助んちに行ったほうがいいかなぁ…。
喜助んちのほうがなんかいろいろと便利そうだし。
オレが喜助の店の扉を試しに手をかけてみたら、鍵はかかっていなかったのであっさりと開いた。
喜助ほどのヤツならば鍵なんて閉めてようが開けていようが、賊が入った場合瞬殺可能だもんなー…いくら今、人間界にいるって言ってもさぁ…。

「…コンバンワ?」
「おや…どなたです…か?外、休業中の紙がはってあったデショ?」

奥からひょっこりと喜助が顔を出した。
オレはどきどきしながらも、オレを眼を細めて観察してくる喜助を見返した。
睨んでる!睨んでるよーーー!!怖いよーなんでだよ、一護といい、喜助といい、オレ、お前らになんか悪いことした!?
なんでそんな怖い目をしてみるんだよー!!なんか涙が出てきそうだったので、オレはふいっと視線を逸らした。
オレもたぶん瞬殺される。怖いよー。損ねないように上手いことしなければ…。

「もう一度聞きますけど、おたく、どちらさんで?」
「…行くとこがない。泊めてくれ」

泊めてくれってなんだよ…もっと丁寧に頼めよ、オレ…。

「見知らぬおたくを?おたく、ここはお店ですよ?宿屋じゃないんスけどね?」
「それも知ってる」
「『も』?」

険呑な光が喜助の瞳をよぎった。
ギゃーー!!マジ怖ぇえええ!!今にもなんか牙をむいて襲い掛かってきそうだ!!しかし、まだちょっとは喜助にも余裕があるっぽいぞ。
オレは怖い相手とたくさん対峙してきてそのたびに相手の爆ぜる直前、メーターってのを感知できるようになってきているんだ。
だから分かるんだが、まだ喜助は結構余裕を残してる。

「出発はいつだ?」
「はい?」
「ルキアはもいいないんだろう?だったら。行くんだろ、向こう」

オレってどうしてこんな言い方しか出来ないんだろう…と自分で自分が情けなくなる。もっと言い方ってモンがあるだろう。
今度は、はっきりと喜助の態度が変わった。ギラリと殺気が漏れ出す。

ごめんなさい。許してください。でも、オレ口下手なんですーーー!!
心の中では引き腰で土下座の勢いで謝っているオレがいるのだが、所詮はこころの中なので喜助に理解されることはない…。

「オレも行く」
「…妖しいッすね。なんなんスか、君」

なんだと聞かれたら、名乗ろう。

。オレの名前はだ。一時期だけだが宜しく頼む」

++


なんかいろいろ黒埼一派と交流をもつ。(話がとびますで)


++


断界を駆け抜けている最初のうちは良かった。
断界は尸魂界と現世の狭間にある世界のことである。まぁ、現世と霊界の狭間のことだよなーとオレは認識したんだが、断界に入っると自分の通った道がどんどん崩れていくこの光景はいただけない。左右のに逃げ場もなく、一本道は後ろから徐々に崩壊していく。

「この光景…どこかで見たことがある気が…」
「ん?なんか言ったか、!!」

オレの小声に一護が反応して聞いてきたが、オレは考え込んでた。
なんだっけなー…こういう場面、見たことがあるんだけど…なんだっけ…絶対見たことがある…。
だいぶ昔に…えー

ハッ!そうだ!!
オレは思い当たることに気が付いて、立ち止まって思い出せたことに喜んだ。

「ああ、そうか!」

胃の中だ!!
なんかの胃の中に取り込まれた描写がこんな感じな気がする!!

あーなんだ。胃か、胃の中がこんな感じなんだよーなぁ。
と、オレは胸のつっかえが取れたすがすがしさで一人で笑っていると、

!?」
君!!」
「お前、何しておるんじゃっ!?」

と、一護と井上と夜一が遥か前方からオレに向って悲鳴のように声をあげた。
え?あれ?遥か、前方?

ドドドドドドドド―…


すぐ背後から、何かが全てを飲み込もうとする音が聞こえた。
そしてそれは、オレの身体を飲み干した。

ァアアアアーー!!」





The backside


突然ひとりルキア奪還に飛び入り参加した男。
驚いたことにソイツはオレが街角であったあの男だった。

浦さんと知り合いだったのかと驚いて二人を見比べてみたが…どーもそんなことも無いようだ。
浦さんの古賀を見る目は、なんともいえない瞳だった。
同じ浦さんの紹介である夜一さんっていう猫を観る目はちゃんと信頼し合ってる様子がオレにだって分かる。
でも、は違う。どっちかっていうと、浦さんは警戒している。

断界を通り抜けるさい、雨竜の阿呆が裾のヒラヒラらした変な服を着てきたのであやうく

「この光景…どこかで見たことがある気が…」

聞き取れないような声で隣を走っていたトモハが呟いた。

「ん?なんか言ったか、!!」

聞き返すが、はなにも返事を返してこない。ちらっとみると、は難しい顔で前方を睨むようにしていた。
なんだか、触れればきるような雰囲気にオレは慌てて前方だけをみて精一杯走ることにした。

「ああ、そうか!」

と、かなり後方から声が聞こえた。
は?と思って振り向くとオレたちよりも何歩も遅れたところにはいた。

!?」
君!!」
「お前、何しておるんじゃっ!?」

オレと井上と夜一は大声で叫ぶしかなかった。

ドドドドドドドド―…
地響きを立て三方を飲み込みながら凶悪な塊がのすぐ背後に迫っていた。
それは、なぜか満足そうな微かな笑みを浮かべて立ち尽くすを飲み込んだ。

ァアアアアーー!!」

オレは叫んだ。

「ばか者!戻っても無駄だ!アヤツは死んだ!消滅した!後ろは振り返るな走れ、走れ、走りぬけろ!!!」

夜一さんがオレたちを叱咤する。
我武者羅に走った。ここを通り抜けなければならない。いくら出会ったばっかりで禄に知らない相手だっただったとしても、助けに戻りたかった。
なんで、彼はあの場面で笑ったんだ?
どうして?

妙に晴れ晴れとした笑みが瞼に焼き付いている。


――ジジジジ…


拘突から奇妙な音が聞こえた。先ほどまでのドドドドという音とはまるで違う。
まるで…そう、この音は周波数の合わないラジオから聞こえるノイズのような…。

―…ジ

ぱたりとその音がやんだ。
瞬間。



――…何かが、爆ぜた。


++



いえーい。そして、ここはどこだー。
なんでオレは一人でこんな屋根の上にぽつねんと座っているのだー。

語尾を延ばした言葉で自分に聞いてみるが、自分でも答えられない。気が付いたらここにいた。
ふざけるなー。なんでオレがひとりでこんなところにいるんだー。
オレのいとしい井上さんはどこだー。あの胸を拝ませろー。

一週間に一度現れる、断界の掃除屋。拘突。
あらゆるものを飲み込み、それに触れたものは消滅する。
って、確か、大まかに言うとそんな感じなことを喜助が言っていたような気がするのだが…生きてるねぇ、オレ。

「なんて、一人で考えててもしょーがねー」

よっこらせっとオレは立ち上がって改めてその場所からあたりの景色を見まわすと、迷路のように延びる橙色の屋根が続いていた。
中心と見られる場所にはひとわ高く聳える塔のようなもの。あれはたしか…ルキアが捕らえられてるなんとかなんとか(名前忘れた)か。

ということは、ここは瀞霊廷内…なのかな?
あれ、なんかいろいろ志波のねーちゃんとかと出会ったり、人間大砲にされたり、
一護とか雨竜とか夜一とかチャドとか井上さんとか、どうしたかな。
どうしたっていうか、まぁ、尸魂界のどこかにたどり着いて瀞霊廷に入るための方法を探しているんだと思うんだけど…。

いや、つかオレ…ひとりで行動するの…?瀞霊廷の中をオレがひとりで…?
え、それって無理じゃない?死ぬよ、オレ…つーか絶対捕まって尋問受けるよ…。
十一番隊とかに当たったらどうしよう…逃げよう。戦わずに逃げよう。うん、やっぱオレにはそれが一番性にあってる。

「おい、そこのお前?」
「!」

後ろから掛けられた声に、オレはビシッと背筋を伸ばす。
見つかった!やべぇ、逃げなきゃ!!

オレは後ろを振り返らずに駆け出した。
どうでもよくないが、オレが来ているこの服、走りにくい…!誰だ、こんな服をオレに着せたのは!

我武者羅に走っているようでもオレは高い建物を目指して走っていた。
もうこんくらいでいいかなぁと思って立ち止まったオレだが、背後で誰かがいるような気がして振り返った。
そこに立たっていた男は…

「檜佐木修兵!!」

ガガーン!!なんてヤツにオレは当たってしまったんだーーー!!
69の刺青が眼にまぶしい…。

なんつか、オレは思ってたんだ。こいつは本誌で出たときからどっかサディストの香りがするって!!
苛めて苛めて執着する人間(死神)っぽいって!!絶対こいつ、恋人にやさしくねーよ!!(恋人がいるのかどうか知らないけどよ)

「へぇ。オレの名前知ってんのか?どこの隊だ?それに…その服は…?」

皮肉っぽい口調で言いながら修平はオレの着ているものを上から下まで眺めた。
オレの服装は…詳しく描写するとアンダーに黒いネックノースリーブを着ていて、上はちょうど修平と同じように袖がない死神の着物っぽいもの感じ。

そして、下にはいているのは黒のカーゴパンツで足元の裾は黒いブーツに入れられている。
……自分で言うのもなんだが、ほんとになんだオレの格好。
腰のところには皮製のベルトが巻きついて、ポシェットが付いている。なんか上の着物っぽいのを脱げば軍服ぽいぞ。
毎度≪世界≫が変わるとともに服装が勝手にチェンジされるんだよなぁ…基本黒い服ばっかり。
オレのカラーは黒なのか?誰が決めたんだよ、おい。

「…見てくれはどうでもいいだろう?」

開き直ってみた。
オレの言葉に修平は肩を竦めて頷いた。

「そりゃそうだな。別に服装で勝負するわけじゃねーし」
「オレは先へ進みたい、引いてくれるか?」

お願いです、引いてください。俺は弱いんです。ほら、手元になんも武器持って無いでしょう、丸腰なんですよー。
と、オレは両手を広げてみせた。
ビクリと修平は身体を震わすと難しい顔をしていた。オレと修平の間を沈黙が降りる。あー気まずいなぁーーー。

「……お前、何者だ?」

やがて修平はひどくゆっくりと言った。

「オレ?オレはだ」
…いや、名前はいい、お前…死神なのか…?それとも…」

はい?オレのどこを見て死神だと?全然違うじゃん、着ているものが死覇装には絶対見えんぞ。それにオレ、霊力とかそういうオカルトな力ないし。

平凡な一般人代表だし。むしろ、一般市民より劣ってます。
修平は用心深くオレと距離をとっている。ああ!もしかして距離をとっていると見せかけて、一気に仕掛けてくるとかっ!?
オレも逃げるためにフンと腹に力を込める。

ふと、オレはなにかを感じた。どこかで何かが割れる――…

ドォンッ――

瀞霊廷が轟音とともに揺れた。
よく分からない(オレはそこらの凄腕な方々と違って、これは誰々の気だ!なんてことはさっぱり分からない。分かるのはなんかへんな気を感じるな〜という曖昧なものだ)が、騒動あるところに主人公がいると思え。これ、≪世界≫を渡っていくことの鉄則だ。

だから、

「行かなければ…」

だから、どうか襲い掛かってこないで下さい。
念じながらオレは猛ダッシュして修平の横を通り過ぎる。ちらりと一瞬横目で見た修平は動く気配がない。
よっしゃーーー!!オレは逃げた!逃げれたー!!ありがとう、見逃してくれて、修平!!
万歳三唱をしながらオレは一番そのここで言うところの霊圧を感じる場所へと急いだ。

「…(マジかよ…)」

そこへたどり着いたとき、オレはかなり後悔した。
これだったら修平とちょっとお話していたほうが良かったかもしれない…。
そこにいたのは明らかなにオレが出来れば絶対合いたくなかったなー的な死神の一人、更木剣八だった…。
一護の姿とかは全く影も形もその場所にない。
石のように固まって彼を思わず凝視してしまったオレは、ふと彼の視線にさらされた。

ピキン。

オレは固まった。ヤバイ。本気で彼怖いよ。
オレもいろんな≪世界≫渡ってきてるけど、剣八みたいに切れた殺気プンプンの人久しぶりだわ。
に げ よ。
オレはオレの人生の中で最速の五本指に入るスピードで逃げ出した。
かといって、表の中を走っていたらまた誰か死神に当たる可能性があるので、オレは花太郎が漫画の中で一護たちを匿っていた瀞霊廷の地下へともぐりこんだのだった。
薄暗い中で膝を抱えながら、オレはちょっと涙目になりながらいじけていた。
なんだよー。オレひとりぼっちやだよー…。



++

The backside


「おい、そこのお前?」

たまたま歩いていた死神に後ろから声をかけていた。
なんとなく、視線が吸い寄せら得るような背中だった。
猫背でもなく、ぴんと伸ばされた背筋は惚れ惚れするように天へと伸びている。

「!檜佐木修兵!!」

そいつは振り返りざまにオレの名を呟いた。
黒い髪黒い眼。それはまぁ全然珍しいもんでもなんでもねー。

「へぇ。オレの名前知ってんのか?お前、何モンだ?それに…その服は…?」

上は、オレの着ている死覇装ノースリーブと同じデザインっぽいが下に黒のハイネックのものを着ているらしい。そこまでならまぁ、死神と言っても通じそうだが、下に着ているのは同見ても袴ではなく、黒のカーゴパンツに編み上げの頑丈そうな黒のブーツだ。

「…見てくれはどうでもいいだろう?」
「そりゃそうだな。別に服装で勝負するわけじゃねーし」
「オレは先へ進みたい、引いてくれるか?」

途端に、ヤツの気配が変わった。
巨大な霊圧を感じるわけではない、けれど、確かにこの場は彼に支配されているように張り詰めた。
手足がなにかに這い寄る。緊張にらしくなく喉が渇く。

「……お前、何者だ?」

こんな死神は見たことがない。かろうじて上着だけは死神のようなデザインだが、下に着ているものが原型を留めていない。
それに、死神の誰もがどこかに装備しているはずの斬魄刀もどこにも持っていない。

「オレ?オレはだ」
…いや、名前はいい、お前…死神なのか…?それとも…」

それとも、旅禍か?とオレは問いかけようとしたが、そう言葉を載せる前にふと、ヤツは遥か遠くを見るように顔を空へと向けた。
オレが怪訝に思って口を閉じたその時、

ドォンッ――

急激に霊圧が高まり、轟音が響いた。
この霊圧は…覚えがある最低最強な戦闘しか脳がねぇ十一番隊隊長の隊長更木剣八のものだ。 
またあのおっさんは自分の趣味の戦いをしてるのか。

「行かなければ…」

はふと呟いた。そして、―消えた。
はっとしたときオレの横を何か風が通り過ぎたかろうじて瞳だけ動かしたオレが見たのは、と名乗った男の横顔の残像だけだった。

「瞬歩…なのか?…っち」

オレは舌打ちして、一歩も動くことの出来なかった自分に対して舌打ちした。



++



「……」
「………」

無言、だった。
そりゃそうだ。無言だ。こんな時にあっけらかんと何かを言える人間がいたらオレはそいつを褒めてやる。
三日ほど地下を放浪したオレははっきり言って退屈の限界に近づいていた。ポーチの中にはいていた携帯食のおかげで余裕だったが、なんと言っても味気がない。
まずいとか美味いとかの話じゃなくて、普通に味がない。…せめて塩とか振っておけばよかったなぁと後悔しても後の祭り。

地下は臭いし薄暗いし、いるだけで気が滅入ってくるから三日のうち何回かは外に出てみたんだが、そのたびになんか隊長・副隊長クラスの死神を見かけたりするので、あんまり外に出るのも嫌になってきた。見かけるたびに、逃げなきゃならないんだもん。オレはもぐらかっつーの。

のどか湧いたなー美味しいもん食べたいなーと、ふらふらと上下左右と動き回ったオレがたまたま寄りかかった壁はぐるりとオレの体重で廻った。

「へ」

オレが間抜けな声を出しながらも身体は下へと落下する。ここは忍者屋敷かよ!?なんつー突っ込みは出来ない。
ストンと上手いこと両足を床につけて着地に成功し、ほっとして顔を上げるとそこは開けた明るい空間で、ずらりと縦二列にならんが死神が…。
へ?あの…ここはどこですかー?
そして、オレのすぐ目の前にある頭は…名前忘れた…えーと一番隊の怖いジーちゃん。
ええーと、この状態はなんなのですか?オレ、どーしてこんなところにたどり着いちゃったの…?


「てめぇは…」

低い声が死神の一人から発せられた。声の主は更木剣八。


「…お主、何者じゃ?」

じいさんが言った。
オレの方に振り向こうともしない。


「何者と問われても…」
「死神か?それとも…」
「旅禍か、と?」

オレはじいさんの言葉を思わず先取りしてみた。だってほら、修平も似たようなことをオレに聞こうとしてきたようだったよなーって思い出して。

「お前…この数日で死神の間で噂になってる、黒い男だろ」

ちびっ子い。トーキチロー?いや、冬獅子だっけ?なんかそういう名前。
オレって噂になってるの?


「―…ふたつ、教えて欲しいことがある」
「今、瀞霊廷内に旅禍は来ているか?」
「…いや」


オレは落胆した。漫画のときはこの、全員集合みたいな場面は一護たち旅禍が進入して来たときだけだったんだけどなぁ…。
気を取り直してもうほうひとつ。

「瀞霊廷にルキアはいるか?」

この問はこのオレは白哉を伺いながら聞いた。彼は…まぁなんつーか兄だし?いろんな面で白哉は潔いなぁと思ったり。
当の百哉は無感動な瞳でオレを見ていた。うう…怖いよ。
そんな目で見られると視線を逸らしたくなるじゃないかっ!!

でもでも、にらめっこなら負けないもんね!!なんて変な対向意識をオレは出さない。怖いから。

オレは顔を伏せた。だってさ、みんな十二人も見てんのよ、オレのこと。なにこの注目。


「ルキアは…」
「―…少なくとも、僕は最近見ぃへんね。現界に行ってんとちゃうの?」


オレから見ると正面の扉が開いてそこから、十三人目の隊長、市丸ギンが姿を現した。
ルキア…が、まだ来ていない?なんだ?どういうことだ…?

旅禍は来ていない、ルキアはいない。…尸魂界編は終わってしまったのか…?
いやいや、それはないだろう。だって―…オレは尸魂界編の取りを飾った隊長たちを順々に見た。

…人は見かけに寄らないよな―あんなにいい人そうなのに実は腹の中で野望がぐつぐつ煮えたぎってるんだから…。
なんでかね、オレには分からないや。どうして一番上に立とうとするのか。
そんな責任、正直オレは欲しくないよ。

とまぁ、尸魂界から去っていったはず死神がいるのだ。尸魂界編が終わっていることはありえない。
考えられるのはひとつ、オレが拘突に飲み込まれたときに何かが起こり、時差が起こったということだ。時間異動ってやつですか?…くそったれ。

今はまだルキアは瀞霊廷に捕らえられておらず、一護たちも現界にいる。
…駄目です。原因は分かったけど、オレが一人でここにいることには代わりがないです…。

「…オレを捕らえるか?」
「まぁ、そうなるじゃろうな。どこの隊にも属さぬ男よ」
「だよなぁ…」


もうやだ。こんな人生。
オレは改めてもう一度、護廷十三隊長らを見回した。
一人ひとりが、油断ならない表情をしてオレを見返してきた。
ああ、もう駄目だなー。

オレはちょっと諦めた感じで微笑んだ。


「抵抗はしない。じいさん。オレは


オレは囚われた。
手かせを嵌められて、現在護廷十三隊が詰める邸の廊下を歩いている。
時折すれ違う一般の死神がオレのことを物珍しそうに足を止めて見入っている。そりゃあ、オレの両脇に逃げられないようにともに歩く男の姿の効果もあるのだと思う。

十番隊隊長:日番谷冬獅郎と六番隊隊長:朽木白哉。その二人に挟まれてるオレ。
隊長格二人に連れ添われて歩く変な格好をした罪人の手枷を嵌められたヤツなんて、オレだって歩いていたら興味深々で見るわな。

オレはちらりと冬獅郎を伺った。彼の方が斜めしたに頭があるために、白哉よりも顔が伺いやすい。
なんてかなー…姿かたちは子供だけど、実際、かなりの時間を死神として存在しているはずだから精神年齢は高いはずだ。きっと、オレよりも。

「なぁ、冬獅郎?」
「!…なんだ」

キッと冬獅郎はオレを睨み挙げてきた。…に、睨まないでほしい…。

「お前、雛森と幼馴染だよな?」
「ああ、それがどうした?」
「ひとつ、忠告しておく。雛森から目を離すな」
「なんだと?」
「雛森を守りたいなら、彼女の周りを疑え」
「…どういうことだ?」

冬獅郎は訝しげに眉を潜めて聞き返してきたが、オレはこれ以上は言う気はない。っっていうかさー、たぶん、いろいろこれからのことをここでバラしたりしたらさー、問答無用で黒幕さん方に殺されちゃうと思うわけよ。
たぶん、今この時点でも護廷十三隊長方から妖しい人物だと思われて牢屋に向っているところに、ヤツラが黒い計画を浦で立ててることをオレが知ってることを暴露しちゃったら…。ガタブルな事態が起こりそうです。

「オレはお前を信じている。…そして、白哉。お前の志も」

オレが言うと、不思議そうな顔をする冬獅郎と白哉だった。
隊舎牢に入れられた。各隊ごとに隊舎牢があるという話だったのだが、オレの入れられたのはどうやら『第一特別拘禁牢』。

『特別』ってなにさ。
え、なんだよ、『特別』ってさ!!ぶっちゃけオレ、今捕まっても別になんも罪状無いんだし、死刑とかにはならな
いよなー。ちょっと調べて一般人だってことが分かったらすぐに瀞霊廷からぽいされて、流魂街あたり行けるかなぁと思ったんだが。

ヤベェ、予想が外れたか?
もちろん腰のポーチも奪われた。マジすか。…細々した必需品が入っていたのに…。

仕方ないので、ぼけーっとしてた。
そしていつのまにか眠りに吸い込まれた。


++


パチリと唐突に目が覚めた。
そして、目を開いてそのまま固まった。

月明かりに照らされてどう見ても刀の切っ先らしきものが目の前に突き出されている。


……(滝汗)

「……流石でございますな」

はい?
万感をこめた声でオレに刃を突きつけていた男は言った。相手が男だと思ったのはその越えあの低さだ。
オレは『流石』の意味がなんじゃそれっていう以前に、突きつけられている刃のほうに気持ちが集中している。
誰が刀をオレに突きつけているのか、そこまでは月明かりの頼りなさの所為でよく見えない。

「…恐悦至極、御方と再び合間見えることになること、数千の幾年月の中、夢みておりました…」

男は刃を徐に引いた。

「全ては…■■の御心のままに」

呟き、男は消えた。


―…えーと?今の誰だったの、一体?


++


コレがワシの手なのかと、ひび割れ枯れ老いた木のような皮膚をまじまじと見下ろす。
かつて、彼の方の手を押し頂いたときはこのような手ではなかった。
瑞々しく、生気を感じさせる手であった。
しかし、この手こそが死神として死んだ後の世界をバランサーとして生きてきた己の信じられるものなのだ。
何度願ったか。
時よ、戻れ。≪世界≫よ、もう一度、御方に合わせてくれ。
戻らぬなら進め。もう一度≪世界≫に彼が現れるその時まで。


人で無くなったわが身。
もう一度見えられるのなら、悔いはない。


++


一日があけた。することもないのでやっぱり壁に寄りかかってうつらうつらしていた。
嬉しいこと今日は朝食が出た。良かったぁ〜お腹はそんなに空いてはいなかったけど、喉は渇いていた。

牢番の人に試しに「喉が渇いたんだけど…」と言うと、吃驚したようにして「は、はい!今も持ちします!!」と逃げるようにしてどこかへ行って、すぐにほかほかしたご飯と一緒にお茶を持ってきてくれた。ご飯…はあんまりいらないんだけど。お腹は一杯だし。欲しかったのは水だ。
…それでも、折角持ってきてくれたんだから御礼を言って、残さず食べた。食べ物は粗末にしちゃいかんからね。うう…腹いっぱい。

「ごちそうさま」
「あ、お粗末さまでした」

牢番は礼儀正しくかしこまってオレのお盆を片付け始めた。
なんか初々しい感じの死神だ。

「あのさ…」
「は、はい!」

…小学生みたいな返事をさっきからする死神だな…。


・・・・・
山田花太郎を出したところで無理だと悟った。ブリーチ、ソウル・ソサイティ編までしか読んでないから、その後の話は全く知らないですので…。



wolでボツネタ この世界は無理だ系


※敗因
スレイヤーズ好きだけどね。やっぱりこれも夢主の性格が違うと思った。よって、書き始めて終わった…。こういうのが多いんですよ、ホント…。


【スレイヤーズ】


…この世界は微妙に嫌です。
でも、実はちょっとだけ期待しています。なんたって、この世界にはあの人(?)がいるのです!!
自称:全ての母。混沌の海。金色の悪夢。ロードオブナイトメアその人が!!
どう考えてもオレはこの世界にきちゃった異分子なわけじゃん?だったら、あの人が物珍しさに姿現してくれるかなーなーんて淡い期待をしております。
まぁ、そこらへんは脇へ置いといてっ…と、『門』を潜ったオレが最初に目についたのは、栗色の明るい長い髪と金色の腰まで長い髪を持つ二人組みだった。

「おばちゃーーーん!!から揚げ六人前追加ー!!あと、こっちの鶏と野菜の黒酢あん定食を四つ追加ーーー!!」

ヲイ。
そりゃあ、リナ・インバースとガウリィ・ガブリエフが大食いだってことは知ってたよ?アニメとかでもガツガツ食べまくる彼らの姿は見ていたわけだが…。
…やっぱり、実物を見ると違うわ。特にリナ。お前のそのちっこい身体のどこに食べ物は消えていくんだよ?
アレか、『オレの胃袋は宇宙だ!』とか、そういうレベルなのかよ?と、セルフ突っ込みをしつつ。

「いらっしゃいませ、お一人様ですかー?」
「ああ」
「では、あちらの方の席へ…」
「いや、オレあの人たちの近くでいい」

ウエイトレスはオレを混んでいる奥の席へ案内してくれようとしたが、オレは首を振って断ってリナとガウリィの席の方を指した。
リナとガウリィの周りの席はガラガラだった。まぁ…あんな食欲大魔神の近くで飯はあんまり食いたくないよな…見てるだけで腹いっぱいでごちそうさま。

「え。いいんですか?」

少し吃驚したようなウエイトレスの彼女に小さく頷く。ウエイトレスはオレをリナとガウリィの斜め後ろの席に案内した。
お冷とメニューを置いて、ウエイトレスは去っていく。




クレヨンしんちゃんでなにかしたかった系


※敗因
……無理。中学生になってる野原しんのすけ。


春我部という町は、つねに不思議に満ちている。
日常の中にいともたやすく非常識なことが起こりやすい。
それに気がつかず普通に暮らしている人間もいるが、ある特殊な受信をする人間は人一倍その非常識に巻き込まれやすい。

ただ一つ、言えるのはその巻き込まれやすい人間達には一人だけ、共通する知人がいることだ。

少年の名は、野原のはらしんのすけ。


「おじさんたち…誰?」


野原新之助が中学から家に帰ると見知らぬ大柄な身体を黒いスーツを着込み、サングラスを掛けた男が三名ほどが居間に座っていた。
いかにも怪しげな男の風体にしんのすけはきょとんとしつつも、顰めて言った。

「…野原しんのすけくんだね」
「…そうだけど…おじさんたち誰?かーちゃんはどこに?」

しんのすけはなんだかこの中では一番リーダーらしい男に聞き返した。みさえの姿が無い。買い物にでも行っているのだろうかなんて思わない。

知らない人間が三人も家にいるのに、その客をみさえが置いて出かけるはずがない。

ちらりとしんのすけは壁の時計を横目で見た。
時刻は一時を少し回ったところ。まだひまわりが家に帰ってくるまでに時間はある。しんのすけがなぜこんなに早くに家に帰ってきたとのかというと、ちょうど学校の中間テストで午前中授業だったためだ。

「君を迎えに来た」

淡々としんおすけの質問に明確な答えを返さず、男は言って立ち上がった。
しんのすけは一歩後退する。

「オラ、知らない人間について言っちゃ駄目って言われてるんだぞ」
「知らない人間…確かにそうだが、私たちもコレが仕事なんでね…やれ」

黒服の一番偉そうな男は短く背後の男二人に命じると、男達がしんのすけを捕まえようと進み出た。
しんのすけはヤバイと感じて一足早く後ろを向いて走りだそうとしたが、ぐいっと後ろから羽交い絞めにされた。

「いや〜ん、セクラハぁ〜!やめてぇええ!」

うねうねと気色悪いカマ言葉で体を動かして、その拘束から逃げようとするが、男は動じない。
それどころか、愉快そうに笑う。


「久しぶりだね、しんのすけくん。いや、シンと読んだほうがいいかな?」
「??」
「もう中学生だから分かるだろう。君が両親だと思っているのは、全くの赤の他人だよ」
「なにいってんだ!?」
「…自分が周りとは違うことに?…なぁ、シン?」

しんのすけは俗に言われる「天才」だった。天才と馬鹿は紙一重といわれるが、しんのすけのIQは間違いなく「天才」の数値を示している。ただ、しんのすけはそういうテストでは全て鉛筆を転がしてマークシートを決めているので全く成果は発揮されないが。


「しんのすけくん、君はね、作られた子供なんだよ!当時、盲腸で入院していた野原みさえの子宮に苗床された人口受精卵。春日部市の子供達は少なからずその実験被験者として生まれてきたんだ」




※っていう、なんか不思議な話を書きたかった。…たぶん、テレビでクレヨンしんちゃんの映画を見た後にちょろりと書いてたんだとおもう。