※高校一年生。みんなそろって高校入学。
※オリキャラが出てきます。夢小説に名前登録している方は名前変換されます。
最近、どうも誰かに見られている気がする。
教室から窓の外を見ながら、ほろりとこぼしたツナの言葉に獄寺くんは椅子を後方に飛ばしながら立ち上がった。ガターン!と教室に響き渡る音に、教室にいた生徒が注目する。その視線にツナは首をすくめた。
「どこかのヒットマンが十代目の命を狙っているんですか!」
「あ、いや…そういうわけじゃないんだけど…」
ぽりぽりとツナは頬の辺りをかきながら困ったように笑った。内心、だから獄寺くんには言いたくなかったんだ…と思った。
獄寺は心強い。高校もなぜか同じクラスだし…はっきり言って、なんか裏で手を回したんじゃないの?って心配だ。獄寺くんなら絶対ダイナマイト片手に校長を脅すことぐらいしそうだ。っていうかする。(断言)同じく一緒に高校に進学した山本は一緒のクラスじゃない。隣のクラスだ。
どうやらは野球の部活が忙しいようで最近では滅多にあって話す機会がない。もちろん、廊下とかですれ違ったときは変わらない笑顔と共にド付かれる。別に痛くはない…というのはちょっと嘘で、実はドスッとされるのは結構痛い。
まぁ、あれが山本の親愛の証っていうのが分かってるから我慢してるけど。
…うん。
それにほら、山本だったらリボーンと違って手加減してくれているし。リボーンだったら容赦がない。三年以上もうちに居候しているリボーンも、今では四歳だ。成長したなぁとつくづく思う。
ランボは今イタリアに帰ってしまっているが、どうせまたすぐ帰ってくるだろう。日本とイタリアを行ったり着たりとランボは忙しそうだ。ああ、日本とイタリアを行ったりきたりといえば、ビアンキもそうだ。
なんなのかな、多少はオレのこと認めてくれたっぽい。良かった良かった。
ビアンキもリボーンと一緒に仕事がしたいからってツナに対して殺そうと容赦がないのだ。あれではこっちの身がいくらあっても危ない。毎回かろうじて生き残っている感じだ。
そんなビアンキに対しては獄寺って役に立たないし。
「安心しろ」
「安心ってなんだよ、りボーン」
「うわーリボーンさん。そんなところで何してんスかー」
リボーンが突然窓の外をぶら下がって現れた。ツナはまったく動揺することなく屋上から垂らしているのだろう、ブランコみたいなやつに乗っているリボーンに聞いた。
「驚かなねーな」
ちょっとだけつまらなそうに口を尖らしてリボーンが窓枠をスタッと降りてツナの机の上に飛び乗った。
「リボーンが神出鬼没なのは慣れたよ」
今では…微かにリボーンの気配だって感じ取れるんだぜ?今まで散々いろんな目にあってきたので、ちょっとやそっとじゃ驚かないし、驚けない。
「リボーンさん、十代目の感じている視線の正体知ってるんですか?」
「ああ、知ってるぜ」
リボーンはちょこんとツナの机の上に座った。
「ボンゴレ・ファミリーのガードだ」
「ガード?ボディーガードってことかよ?」
実のところ、十代目十代目といわれているが自分の身の重要さをいまいちよく分かっていないツナはきょとんとした。
「オレはどっちかっていうと殺すほうが専門だからな。守り専門のやつが来たってだけさ」
「それが十代目が感じている視線の正体なんスか?」
「そうだ」
「へー…ガードかぁ」
「挨拶、欲しいか?」
「うーん…まぁ、一応守ってもらうんだし、挨拶ぐらいはしたいなぁと思うけど…」
「そうか。……だとよ」
と、リボーンはどころ見ているのか分からない目をして言った。誰に言っているんだろうと、ツナが首をひねると、突如背後に気配を感じた。身を硬くして振り向くと、そこには一人の男が立っていた。
「ども、今日和。九代目より十代目候補の護衛を依頼されました、
.G. です」
三十度くらいに頭を下げて、その人は言った。どこから現れたのか、今まで気が付かなかったのが不思議なくらいだった。
「こいつが守りの
だ」
「はい。リボーンさんにはお世話になってます。どうぞ、
。と呼び捨てしてください」
は、微かに笑って言った。ツナと獄寺は上から下までその男を見て、同時に思った。ツナは思ったことを聞いた。
「…なんで制服着てるんですか?」
はツナたちと同じ高校の制服を着ていたのだった。
黒髪で黒目。
平凡な顔立ちで、たぶん外を歩いていても十人中一人も振り向かない。それぐあいどこにでもいる普通な顔で、でも全体的な落ち着いた雰囲気から、全然同い年に見えない。
「この学校の生徒だからですよ」
「…年上、ですよね?」
「ええ」
はもちろん、と頷いた。
「近くにいないと護衛は出来ません。オレは普段は気配消してるんで、誰もオレの存在に気が付いていませんよ」
「は気配を消すことに関しちゃいい線いってるぞ。ツナたちと同じクラスだ、気が付いていたか?」
同じクラス?
「嘘ぉ!」
「オレ、こんな怪しいやつ、教室で見たことねぇっスよ!」
「それはお前らが未熟者だからだ」
ツナと獄寺の驚きの声を、リボーンはあっさりと切って捨てた。
「だったら、暗殺者ぐらいになれると思うんだがな、基本的に人殺しは嫌いらしい」
「そりゃあ、普通は人殺しなんて嫌だよ。犯罪ジャンか」
ツナが言うと、リボーンは変わらず無表情だったけど、獄寺君と
は苦笑にちかい表情になった。
彼らは人を殺すことにそれほど罪悪感はないし、犯罪として立証されるようなへまはしない。
やるときゃとことん完全犯罪である。
「…さんは」
「呼び捨てでいいです」
「じゃあ、 で。最近ずっとオレのこと見てた?」
「はい」
「じゃあ、こいつが十代目のストーカー!!」
キッと
を睨んで獄寺は戦闘準備に入ろうとしたとたん、頭の後ろをリボーンによってレオンのスリッパによって叩かれた。
「テメーは話を聞いてねーのか。 コイツはガードだって言ってんだろーが」
「うう、すいません」
獄寺が暴走しなかったことにほっとしながらツナはを見上げたは面白そうに彼らのやり取りを見ていた。ツナの視線に、にっこりとは笑みを作った。
「はじめまして。十代目候補」
殺伐とした雰囲気もなく、柔らかい表情だった。
「リボーンとは知り合い?」
「はい。言うじゃないですか、『攻撃は最大の防御なり』ってね。勉強させていただいてます」
「へぇー…」
新しい仲間みたいなものだろう。
わいわいと身の回りが騒がしいのにはもう慣れてしまった。
はツナの手を取って、自分の額へと持っていって、言った。
「 」
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「馬鹿みたいだ…」
動かない。
冷たい。
「あんたは、…馬鹿だよ」
血にぬれた破壊された頭を抱きしめてツナは嗚咽を漏らした。
「 …」
オレのために、死んだって、仕方ないじゃないか。
「オレはあなたを守ります。命に代えても、ね」
そう、ツナの手を額に押し付けて言った男が、その言葉どうり死んだのは、それから一年後だった。
thr
end