夏真昼に零れ落ちた殺意について












生き残った男の子。それは俺!





まるでどっかの魔法少年の第一章のような書き出しになったが、赦せ。
最後の記憶は、なんか変な眼球を移植されたー!激痛で何も分からない!俺、死にそう!!で止まりました。

麻酔も無しに眼球を移植するとか、それって完全に実験を成功させる気がないと思わない?
痛みで発狂するっていうの!出血多量で脳の血管ぶち切れて死ぬっての!いやぁ…俺、よく死ななかったなぁ…。
なんか良く分からないうちに、意識が途絶えたことだけは覚えている。

あ、俺死んだ。
という、リアル覚悟をした。(ミルキ時代は割と毎日思っていた)
酷い人生過ぎて毎日生きてるのが辛い…。

さてさて、そんな山田太郎(仮)が目覚めたのは普通に病院だった。





「…?」



光が眼に痛い…。
眼球にめやにがこびりついている気がする。瞳に潤いが全く足りていないドライアイ状態である。…ドライアイって、辛いよな。
俺、山田太郎(仮)本体(笑)の時に、千円ぐらいするドライアイ専用の目薬買ったことあるんだぜ。
妙にとろみのついた液体で、注してしばらくは目の前がぼ やけて見えないという…。
なにやら、間違えて片栗粉を溶かした水を目に入れちまったのかと思ったぜ…。


瞬きを繰り返し、目をこすろうとして腕をひっぱられるような違和感。


「?」


腕をみると、点滴のチューブがついている。
………え、一体なにを注入されているのだろうか。腕に刺さっていた点滴を取り外す。
もちろん、力任せに引き抜くなんて愚行はしない。そんなことをしたら大 出血および内出血が起こりそうだ。

ごしごしと目をこすり、ぽろぽろと目脂に顔を洗いたいと切実に思う。目元が多少さっぱりしたところで、改めて自分の身体をみる。


俺の身体には特に拘束もない。
かけ布団をめくってみると、よくある病院の患者服を着ていた。


脱がしやすく、着やすい合わせの一枚着
部屋を見渡すと、ごくごく普通の病室。ただし一人部屋。
窓があって、白レースのカーテンが日差しを浴びて揺れている。

それだけで、ココが研究所ではなく外の世界だと分かる。
あそこには窓はない…外の世界に通じ る風景は何も見えなかった。
あるのはどこまでも冷たい白の壁。気の狂いそうな白亜の世界。


ベットの横にはリモコンがある。
リモコン?リモコンがあるならテレビがあるだろうと探すと、天井からつりさげられた薄型テレビ。
おのれ!なんて金持ち部屋なのか!ここは、皇室御用達の聖○加病院か!


リモコンを操作にテレビをつける。
普通にイタリア語の天気予報が始まった。
チャンネルを回せば、今日のお料理だの、テレビショッピングだの、イタリア的な愛憎昼ドラなど…平和な話題を流し ていた。
あ、なんか俺パスタが食べたくなってきた。ニンニクと唐辛子が利いたぺペロンチーノが。あるいはカレーライス。ラーメンでもいい。


「…?」


なんか、変だ。
そろり、とベットから半身を起こす。


……まず、冷静になろう。
最後のときの記憶を思い出そう。
たぶん、俺の目は抉られちゃって、代わりに変な眼を入れられたはずだ。


目元に手を持っていく。
右目を瞑り、左目を開ける。左目を瞑り、右目を開ける。
交互にウインクを飛ばしてみるが、はっきりくっきり両方とも良く見える。よし、視覚には問題がない。

次に……よっこらせ、とベッドから床に足を下ろす。
床のタイルのひやりとした冷たさ。
腰を上げる、両足で立ち上がる…が、一瞬よろけた。そのまま崩れ落ちそうになるのを、なんとか堪え、踏ん張る。


およよ、足腰弱ってんのかぁ?と、相変わらず軟弱な獄寺肉体に対して文句をつらつらと思い浮かべようとして、おや、とと違和感を感じる。

身体が少し硬く感じ…いや、違う。
これは、身体を硬く感じているわけじゃない。違和感だ。しっくりこない。
身体の神経が噛み合っていない。


今まで、漠然と感じていた、獄寺と俺を別っていた膜のようなもの。今、はっきりと感じる。
いまひとつ、『相互』していなかった、この肉体と魂。


…今なら、破ける。


仁王立つ。
目を瞑り、丹田に力を集めるように息を吸い、吐く。全身に気が回るように。
なじませるように、深く深く……巡る巡る、命が巡る。熱き血潮が身体をめぐるうぅうううーー!!


「フゥ…」

息を吐く。細く、長く、いとこんにゃくのように…。




……クリアだ。




口角が、高揚感に引きずられてつりあがる。
身体が、かつてないほど軽く感じる。身体の隅々まで、神経が行きわたるような、全身に充実した流れ。
懐かしい、気の巡り。指一本、髪一本にいたるまで、把握できる。
世界にあふれる全ての気。



ああ、今やっと、俺の魂は「定着」した。
(それはすなわち、「獄寺隼人」の完全なる死を意味する)




ふふふ、あはははは!!
これで、勝てる!俺は勝てる!何かに勝てる!

間違いなく、俺の身体は「念」を習得した。
今はまだ錬度は未熟なれど、前回の感覚を思い出しながら鍛錬を積めば、早期にそこそこのレベルまで上がれるはず だ。


はっきり言ってマジで獄寺の身体能力なんて糞だったのだ。
あんな程度の毛の生えた身体能力だけじゃ、こないだみたいに簡単に誘拐されるし、ほいほい殺され てしまう。
大体、外国は簡単に拳銃が出てくるから怖いんだよ。そんなもんに当たったら一発で死んじゃうのだよ。


よかったー!
これで俺、命の危険性が凄く減ったよ…。
裏でこそこそするにもね、多少のチートっぽい力が必要なのだよ。
主人公クラスには瞬殺されるぐらい、かつ、あて馬的だけどそこそこに一般人(モブ)よりは強いっていうのがね。
人生なんて、スポットライトが当たっているのは一部の人間なのさ。
俺は日陰の道を歩くのさ。お肌にシミを作らぬように!




小躍りして喜びたいところだが、俺は、忘れてはならないことを思い出してしまった。



俺がこの、明らかに病院っぽいところにいる原因……!
この部屋で目を覚ます、直前の出来ごと。

ごくり、と、唾を飲み込んで部屋の中を改めて冷静になって見回す。
あ、天井の隅っことカーテンの金具と、花瓶に監視カメラはっけーん☆…じゃなくて!

今はそんな監視カメラはどうでもいい。
三つもあるって何それ。俺は重犯罪人かなんかかっ!といいたけど、それどころじゃない。




俺は目当てのモノを見つけると、極力、俯きながら直視しないようにその正面に立った。

ああ、こんなにも緊張したのは久しぶりだ。
だが、俺も男だ。現実は見つめなくてはいけない。

バッ、と俺は顔を上げる。



鏡よ…!!
鏡よ鏡、鏡さん!世界で一番中二なのはだぁれ!?







鏡と対面する。
ああ、ああ、なんてことだろう。
震える指先で、鏡に映る俺(獄寺)の輪郭をつたなくなぞる。鏡の中の俺が、泣き笑いのように、表情を歪める。

ああ、ああ…なんて、ことだ…。
がくり、と鏡にすがりつくようにして膝を折れた。唇をかみしめ、全身は小刻みに震えている。


ブルブル。
ガタガタ。









アイアム、そのままYO━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!!











俺の両目の色は、 変 わ っ て い ません!
ノーチェンジ!ノーライフ!ノーマネー!中庸を目指す!

俺の右目も左目も、左右同一!
今も昔も変わらない、両眼とも黒緑っぽい目!!

ヨカッタネー!ヨカッタネー!!

思わず顔文字使っちゃったヨ!
拒絶反応起こした人、マジめんご!!でも、心の叫びが絵文字になってしまったのだ!!

俺が銀髪オッドアイの外見になったら中二病どころの話じゃないっつーの。
そりゃもうマジキチの部類デショ。

この喜び!変わってないことが、こんなに嬉しいことはない!!ヒャッハーー!
世紀末は終わったぜ!!コレからは俺の時代!




次回!
「この世は世紀末!弱肉強食焼肉定食!」


こうご期待!!あーんなことやこんなことまで!!
サービスサービスぅううう!!








■□■








……あーーー…。
ちょっと前の超ハイテンションの俺自身を殺したいデス。
や、殺すまではないけど、誰かに氷水でもぶっかけてほしい。風邪をひいてもいいから。
ちょっとテンション高すぎだわ。ついてけないわ。
観客おいてきぼりのテンションは新世紀ヱヴァンゲリオンだけで十分だわ。

やぁ、気を取り直して戻ってこい。
しばしのテンションで、うずくまるようにしていた俺はbe cool!ビークール!ビークール!ベーグール!
ああ、お腹すいたな…と、心を落ち着かせることに成功した。


ふと、誰かがこちらに向かってくる気配がした。
……素晴らしい、かつては当たり前に出来ていたことだが、獄寺になってからは使えなかった分、このレーダーのような機能は本当に素晴らしいものだと実感す る。

俺、今日から本気出して頑張る。
ニュー獄寺になるんだ!新たな目標を胸に、俺は立ち上がった。




やってきたのは、黒服の男たちだった。
一目見てすぐに分かる。マフィアだ。
え、馬鹿なの?明らかに堅気じゃなくて、一発でマフィアだって分かるような格好してるの?
…もしかして、マフィアって学校の制服、あるいは会社の制服みたいな感じで黒服じゃなきゃだめっていう規則でもあるのだろうか。
まぁ、普通だったらありえないけど、ここ、なんたってハチャメチャなリボーンの世界だし(笑)


「気がついたか」
「あ“ァ…??」


声にそうとして、喉のひきつるような痛みに気がついた。
まるで声が出ない。
出たのはしゃがれた老人のような声。何カ月も声帯を震わすことのなかったような…。


「無理をするな。君は、長い間意識不明だった」
「……(長い間ってどのぐらいやねん)」


そこんとこ、はよ教えてくんろ!!









■□■










聞くとことによると、例の実験施設が何らかの破壊にあい、その折にあれよあれよと、俺はボンゴレに保護されたようだ。
よりによってボンゴレかよ。

今はあれから二年近くたっているらしい…え、なにその衝撃の事実。
二年とか…完全に植物人間状態だったってことじゃないか。俺の大事な青春の二年間が永遠に失われただと!?
なんたる時間的損失!


てかさ、…二年たったってことは、俺の年齢11歳ナウですよ。もうすぐ中学生ですよ。
…(笑)をつけるぐらいの、お約束ですね。
奇遇ですね。狙ってましたか?っていうぐらいの原作への導入ッっぷりですね。も

あれだな…なんというか、原作時間が近づいたから世界の修正力が働いてきているような気がする…。
ほら、俺ってば今回は主人公側なのである。脇役ではない!

……ほんと、俺は名のある脇役でよかったのに…。
(名もない脇役ではなく、せめてとばかりに名のある脇役ね!いてもいなくてもいいけど、とりあえずは人々に認知されているような!子供Aとかそういうの じゃなくて!)


そんなことを思いながら、俺は落ちた筋力を戻すためにリハビリに励んでいた。
なんでか、ボンゴレさんが俺を手厚く保護してくれているので、毎日の病院食もおいしい。


ただ、いろいろと不可解なことがある。
まず、研究所が破壊されたということだが、それを行ったのは誰が?ということだ。
研究成果、残されていた実験体、研究者、彼らは一体どこに行ったのだろうか?
俺が保護されていたのなら、彼らもどこかで生きて保護されている可能性がある。

別に交流があったわけではないから、他の実験体が生きていようが死んでいようが関係ないが、俺だけが生き残っているという状態はありえないので聞いたら、 明確な答えが返ってこなかった。

また、獄寺隼人であるという確証(おそらく、DNA鑑定)があるにもかかわらず、獄寺の家族は一向にお見舞いに訪れることはない。
いやぁ、俺ってば嫌われものですね。

また、なぜ俺に監視がついているのか?







そんなこんなで、まったりと病院でのすがすがしい生活を送っていたある日、来訪者が現れた。




その男は供を引き連れ――…闇を引き連れ、やってきた。

病院には似つかわしくない高級な黒のスーツ。
まなざしは温和で、身にまとう雰囲気も同じく木漏れ日のような暖かい。縁側でお茶を飲んでいそうな、優しそうなジー さん。



…でも、な。
身についてしまった血はいつまでたっても取れない。
血と硝煙は身体に染みつき、奪った命による怨嗟の念が付きまとう。(と、俺は思う。実際、ハンター世界では死者の念っていうのがホントにあったし。背後霊 なみに憑かれているヤツもいた)


よくよくジ―さんのチワワのような瞳の奥を見れば、冷酷な光が見える。
その年老いた皺としみの浮いた手は、血に汚れているのだ。



あ。俺?
俺の身体(獄寺)は綺麗です!人殺しなんてとんでもない!
金にならない殺しはしない。それが、殺しの美学です!!暗殺者には暗殺者の美学があるのだ。(by 暗殺者一家)



優しげなジーさんの姿は相手を油断させるための擬態なのではないか、と俺のシックスセンスが警鐘を鳴らす。(まぁ、俺のカンは外れることが多いが←)
だから、俺は気を引き締めてかかった。


「やぁ、はじめまして。私は、ボンゴレ九代目だ よ。君に会えてうれしいよ」
「はじめまして、ボンゴレ九代目。獄寺隼人と申します。こちらこそ、名高いボンゴレのボスにお会いできなんて、光栄です」
「ああ、かたぐるしいよ。私はご覧のとおり、ただ歳をとっただけの老人だからね、もっと肩の力を抜いてくれないかい」


ちゃめっけたっぷりにボンゴレ九代目が、ウインクすらして言う。
ペペッ!気持ち悪いわっ!
老人のウインクハートなんてお断りなのである。えんがっちょー。あんちえいじんぐー!


「いえ、恐れをおおくて、そのようなことはできません」
「そうか…。まぁ、君が元気になって良かったよ。獄寺隼人くん…隼人くんは、嵐の晩に家から消えたのだよね、その時のことは覚えているかい?」
「さぁ?…何分、傷を負ったせいで、記憶があいまいで…詳しいことは覚えていません」


The あいまい
肩の力を抜き、全体に脱力感を表して口元はあるかないかのほほ笑みの形。目じりは出来るだけ下げる。

ぜひ、先輩に行きたくない飲み会に誘われたときに実践してみてくれ。
あくまで、申し訳なさそうな雰囲気をただよわせるのが大事だ。
締めの一言は「また機会があれば〜」と、心にもないことを!心にもないことをっっ!(大事なことなので二回言いました)

俺を放置したセバスチャン…もう、名前忘れたよ、なんか教育係のアイツ、まだウチんちで働いているのかねぇ?
バレずに働いてたとしても、左遷されてるとは思うけど。


「隼人君は学校に行きたくないかな?」
「全然。行きたくないです。むしろぉ〜ゆとり教育だとぉ、俺がばかになるっていうかぁ〜↑☆」
「……」



目が笑ってないですヨ、九代目。
可愛い俺のお茶目なんだから、ポーカーフェイスを崩さないほしいのである。
おバカな学生をまねてみただけなのに…。



「さて、それで君にお願いがあるのだが…」



あ。やばい。俺が嫌いな人来たよ、コレ。
そもそも、あんまり好きじゃないのですよね、九代目。

もともと、漫画を読んでいたときから諸悪の根源って全部九代目じゃね?と勝手ながら思っていた。

平和な日本のガキを掴まえて、マフィアの次代になれとか頭狂ってんじゃないの。
そもそも、ボンゴレさんには都合のいい超直感があるんでしょ?
だったら、自分の息子が死ぬとか死なないとか、死相ぐらい事前に感じろって話だろ。
親子の絆って善し悪しにしろ、かなり強いものだろ。


それに、イタリアの社会に日系人をぶち込むってどんだけだよ。
しかも十代めの守護者ってほぼ日本人じゃん。


うーわー…。俺だったらそんなファミリーで働きたくないわ。
普通の会社で考えてみなって。


日本の百年以上続く伝統ある会社です。
社長が血縁に会社を譲ると言っています。
祖先をともにする遠い親戚です。めちゃめちゃ血が薄まってます。
その親戚はイタリア人です。見た目も育ちも生粋のイタリア人です。
合わせて幹部陣もみんなにイタリア人に変わります。
さぁ、みんなで力を合わせて頑張りましょう!!!



無いわ〜……コレ、完全にイタリア人に会社を乗っ取られたと思うだろ。
明らかに乗っ取りされた気分だろ?
え?なんでいきなりそんな遠い血縁者が出てくるの?ホントに血が繋がってるの?
いくら実力主義とは言われても…幹部総入れ替えって、今までの働いていた下々の部下こと舐めてない?


俺、完全に新しいボスのこと潰したい気持ちになるわww
日本社会に外の人間が入ってくるんじゃねーよ、マジで。
日本の流儀に従えよっ!ってなもんで…。


いや、俺の心が狭いのかなぁと、一寸だけ思うけど、それでもやっぱり、新しくやってきた幹部連中に対して反抗心をぬぐうことはなかなかできないだろう。


ザンザスとか…まぁ、あいつも思えば可哀想な奴だが、無駄に暴力的で高圧的なヤツは好きになれないけど、やりたいやつにボスやらせればいいじゃん。



あるいは、内部の幹部から選出するとかさぁー。
血が正当後継者を選ぶとか…馬鹿なの?死ねば?
そんなリングだったらブッ壊しちゃたらいいんじゃね?なんて感じなことを漫画読んでたときに思ってたわけなのだが。

でも、その時は所詮はそのときは漫画の中の話だから、漫画の世界だからしょうがないよな〜で、終わってたんだけど。






………それが実際に起こるとなると、ね?

ね?(薄笑い)






いやいやいや、なんというか…詳しく知りもしない人を嫌うっていうのは良くないけど…人間、初対面の六秒で相手の印象が決まるっていうじゃん?

俺、九代目が生理的に無理。
(生理的に無理って、女子が良く言うよな。生理的ってなに?良くわからないけれど、相手の存在全否定って感じがする)

俺が九代目から感じたのは、慈愛。
親が無条件で子に与えるような愛。

思わず、顔がゆがんだね。なんだこいつ、気持ち悪いってさ。
なんなの?赤の他人にそんな顔向けてさ。
お店の店員さんがする笑顔はいいよ。それはもう、運営上必要な愛想だと思うから。


でも、マジで、心の底から、何も知らない、初めて会った相手に対し我が子に向けるような愛情のこもった眼で見られてみ?
ぞわぞわと、背中に虫を入れられたような感覚に襲われるから。
なんなの?お前、俺の何を知ってんの?って感じ。


愛憐?憐憫?
それって、ようするに上から目線の感情でしょ?
嫌悪する。俺は、このじいさんを嫌悪する。



だって、そんな目をしているくせに、価値のないものはすぐに切り捨てられるんだ。(あんたが見殺しにした、あんたの実の子供たちのように)


愛する息子、愛していた息子、愛を注いで育てたモノだからこそ、自分のモノで思い通りにしていいと思ってるんでしょ、その命さえも?
子供は親の言うことを聞け、まさにそういう傲慢だ。
もしかして、九代目が裏で殺したのかもね、自身の息子をさ。





それに、今、俺に頼んでいること。
それって…お願いの形をとった強制じゃん?
あんたにはそんな気持ちがなくて、断ってもいいよ的なこと言われても、言えるわけないデショ?

だってほら、あんたの後ろにいる護衛かなんかは、「断ったら殺す」みたいな雰囲気だし?断ったら、九代目が命令してなくても、自発的に殺すかもね、俺を。

ミソだよね、九代目が殺すつもりがなくても周りがそれを許さない。

九代目が頭を下げたのに、それを承知しなかった小物なんて、こっそりと抹殺してしまうのさ、きっと。
そして、実行されたそれを事後報告された九代目は、哀しそうな表情をしながらも赦すのさ。
だって、偽善者なんだもの。




ボンゴレという大きな組織以外については、本当はどうでもいいのさ。アンタは。





ああ、なんて、ツマラナイことになっているのだ。
こんなはずじゃなかった、こんなのは違う。













(なあ、そう思うだろ―――       。だから…)








※短い。ホントはこの三倍書いてあるけど、詰め込み過ぎてまだ未完成なのであげられない。ちょろっと導入部分で出来ているところだけをアップしました。 後悔はしていない。
来年は小出しにしていこうかと思っています。長文好きなんですけどね…。お粗末さまです。  
20121212 CLAP