両翼はあるが飛ぶ必要もない






俺の名前は山田太郎(仮)。
どこにでもいる普通の人。始めてのアルバイトは高校一年。
郵便局の仕分けと言う、ちょっと消極的なものに挑戦。ほら、当時は郵便局って国営だったからね?まぁ、悪くはないだろーってことで応募。

はい、これ失敗。

暇じゃないけど、単純作業だった。人間仕分けロボットになった気分だった。そしてずっと立ちっぱなしでひたすら仕分けているのは辛かった。
しかも、周りはちょっと暗そうな男の子とか女の子とかおばさんとかばっかりだしさー…。
いやいや、偏見じゃないから!!むしろ俺もソノ中にいるってことで十分に暗そうに見えるから。(あれだな、誰とも話さずもくもくと仕分けの作業だから必要以上に暗く感じるだよな。話せばきっといいやつらさ!)


それからはやっぱり男は力仕事だろっ!と次は、引越し作業のやってみた。

「山田ぁぁああ!ちんたらしてんじゃねーぞぉお、さっさと運べぇえ!」
「…ういーす」

これ、あかん。
力仕事だよなぁーと、ソノあたりを分かっていていったのにあまりの人使いの荒さにばてばてになってしまったのであるヨ。
基本ヒッキーな俺には合わなかった。ごめんごめん、そうだよな、女よりは力があるとは思うのだが、男の中では中の下ぐらいの力持ちだったのだね。

許容量を越えた荷物を「よっこらせ」と掛け声を掛けて持ち上げた瞬間、腰が…腰が、腰が…グギっていった。

古典的映像表現を使うと、グギ!となった瞬間に体が雷が脳天にぶち当たり、体がスケルトンになって骨人間だけになった。あの瞬間の痛みは想像を超えていた。
(腰痛のじいちゃん、ばあちゃんを馬鹿にして悪かった。俺、いい子になるよ)

ぎっくり腰で歩けたものじゃなかった。妊婦さんようのドーナツ型底反発力クッションの通販購入を真剣に考えたのは、この時が始めてだった。
体育会系のあんちゃんからは「だらしねぇぞ、若いモンがぁ!」と背中を叩かれた。

痛かった。叫んで飛び上がった。腰の痛みとともに転げまわった。叩いたあんちゃんが引くほどだった。

痛イノ嫌アルヨー。
痛いの飛ンデケー。

まあ、このように俺は平凡で、普通、ちょっと体力のない漢字の一般市民であるのである。
間違っても魔法薬を作ってお金を稼いだり、魔法学校の学費でがっぽり儲けたり、暗殺だとか、裏っぽい世界で生計を立てている人間ではないということだけは、いいか、そこだけは、しっかりと頭の中に刻み込んで欲しい。


俺、山田太郎(仮名)、ちょっと調子に乗りやすい一般市民代表。オーケェイ?





■■■





おかしい。
俺は普通に俺んちの俺の部屋でテレビも見れちゃうパソコンの前でハーゲ●ダッツのストロベリーアイスクリームを食べながら土曜ロードショーを観ていたはずだ。
アイス食べた後にもう一回歯磨きするのメンドーだよな、と思いながらも甘いものの誘惑には勝てなかった自分が恨めしい。
眠る二時間前に喰うと太るらしい、という真偽のほどは良くわからん話をどっかで聞いたことがあるのである。

土曜ロードショーに満足して、俺は甘くなった口腔をさっぱりさせるべく、ミネラルウォーターのボトルを煽り、歯を磨いていそいそと寝床に入ったのだった。

「ここはどこだぁ…」











現在の俺は………何故か空を飛んでいる!!(ババーン!)
俺は何故空を飛んでいるんだ?山田太郎(仮)は実は空を飛べる天使だったのかぁあ!?

と、一人でボケてみても寂しいので、状況確認。

誰も突っ込んでくれない状況に最近なれつつある俺。なにやら目指すはピン芸人か…。
しかしなぁ…ピンにしてもコンビにしても、いずれは芸人ではなく芸能人化している昨今のテレビ業界。お笑い芸人がなんで格闘やったりするわけ?え?

なんか最近俺、気持ちの切り替えが早くなった気がする。あれだな長所はなんですかという質問に対して

「突発的状況に置かれた際の状況判断には誰にも負けません。たとえ無人島や未知の世界に投げ出されても冷静です。生き残る自信があります!」

と答えられる。

さしずめ、座右の銘は「貴方のとなりに山田太郎(仮)★」(星ウザイ星ウザイ星ウザイ)

眼下の町の明かりが眩しい…おお、博多の百万ドルの夜景に負けぬ宝石箱をひっくり返したようなイルミネーションだ。

おお、あっちに見えるあれは東京タワーじゃないか!!




…あれ?東京タワー?
ってことはここ、普通に俺の現実世界じゃねーの?あれ?

俺は自分の手を翳してみた。……気持ちわるい。なんか妙に長くて黒くて爪長くてあれなんですけど…手首のとこにファー?見たいなひらひらが付いてる。

指は五本ある。間違っても六本や三本ではない。
うむ、三本指のETの可能性は消えたな。(あれ三本だよな、一本じゃねーよな?)(あれ?もうよく分からない)

近場の高層ビルの方に行きたいなぁ…と思ってみると、手足を動かすのと同じような感覚で背中の風がたわんだ。背中越しに羽ばたく黒い羽が見えた。


…羽が黒いよ…天使の線は消えたな。まぁ、天使なんて俺の柄じゃないけど。


全面ガラス張りの高層ビルはいつも窓掃除に費用が掛かって大変だろうなと俺は思っている。経営者は何を考えているのだろうか。それともなんだ、最近の硝子はくもり止めや撥水加工が凄いのか?
そのガラス張りに自分の姿を映してみる。








変な生き物が移っていた。
いや、コレ生き物?生きてるの?

…死ぬこと(むしろ消滅。砂。)が出来るんだから、生きてるんだろうなぁ…。


皆様!!俺はッッツ



死神リュークになっていましたーーー!!(@デスノート)




俺、リュークだよ…どーするよ、俺。

ついに人間ですらなくなりやがったよ。(ここ、注目!はい、テストにでますよー)


『天使なんかじゃない』…っていう少女マンガあったよな。ていうか、あれって天使なんかまったくでてきてねぇじゃねーか。ハネか?ハネがあれば天使って言っていいと思ってんのか?

まあ、俺は死神がいるんだから天使とかいるんだろ?死神界とかがあるんだったら天界とかあるんだろーよ、ハハン!

いや、ここでそういう現実逃避はしてはいけない。

現実を受け入れるんだ!
楽しみにしていたビデオが録画されてなかった時の哀しみのように!!




俺は、死神リュークになった!




いいほうに考えるんだ。ほら、こんな外見してても神様の属性なのだよ!




俺、ついに神様になったぞーーーーーーー!!ひゃほい!





さて、俺がリュークになったのはいい。オっケーだ。
人外ってのがちょっと気に食わないけれど概ね受け入れられる。これでバジリクスになってたりミケになってたりしたら動物かよぉおお!と激しく突っ込んだがな。

ていうか、それじゃあ、しゃべれないジャン!
リュークってなにすればいいのだろうか。っていうか、やっぱりライトとの接触をしなければならないのだろうか。
今は物語のどのあたりなのかなぁ。俺は死神だから死ぬこととか気にしないでいいからいいよなー。






ていうか、リューク死んだの?(超疑問)


(死神が死ぬなんて、それってなんの冗談だ)




※…どうかんがえても、リュークに山田(仮)が入っても、話が進むわきゃない。…ボツボツ!寝たネタ!(←誤字じゃないですよ!)まぁ、web拍手俺に過去に使っていたので、精度は求めない。